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ヘンゼルとグレーテル(絵本グリムの森2)
¥1,200
パロル舎・絵本グリムの森シリーズの第2巻。 翻訳はパロル舎ではお馴染みの天沼春樹さん、絵が飯田正美さん。この飯田さんは存じ上げず、奥付の経歴に“『不思議の国のアリス』シリーズを作成”とあったので調べてみたがわからなかった。唯一『MOE』1993年9月号にイラストが掲載されている模様である。他にも同名義の作品や児童書などの表紙画がある。 このグリム作品では、主人公の兄妹が痩せこけて薄幸そうな表情なところがリアルである。継母が鬼の形相だと思ったらもっと怖い顔の魔女が登場し、兄妹が生きるために必死の行動をするのは多くの方がご存知だろう。 ■グリム兄弟 作/飯田正美 画/天沼春樹 訳 ■パロル舎/1997年10月初版 ■ハードカバー/30.6×20.8×1.1cm/39p. ■状態:可 カバーにヨゴレとスレが少々あります。本体の背の天地に少し色ハゲがあります。表表紙の角が少し内側に曲がっています。本文は目につくヨゴレや書き込み等なく良好な状態です。
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ともしびの木
¥1,000
人々が燈台を住み家とする「燈台の国」。ある時この国に異変が起こり、三本燈台のあるじ・ヤンセンは事の原因を調べはじめる。。。 本作は、2006年にボローニャ国際絵本原画展入選作品を再構成したものである。夜の青、水の青、そして所々に効かせた赤が印象的な静かで幻想的な作品である。冒険譚でありながらあくまで淡々と進む物語は好みの分かれそうなところではあるが、インパクトの強い絵と後から付けたような文章の組み合わせは、パロル舎の小型サイズの絵本シリーズでよくある手法である。 ■小松千明 文/小松修 画 ■パロル舎/2006年9月初版 ■ハードカバー/18.0×19.8×0.9cm ■状態:良 カバーにスレが少々ある他は目につくヨゴレやイタミ等なく良好な状態です。カバーの裏表紙画は黒いためスレが目立ちやすいです。
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カンパネルラ 機械仕掛けの少年の魔法の角笛
¥2,000
無機質な少年や少女とシュルレアリスムの異世界感の融合が印象的な幻想画家・七戸優(しちのへまさる)の画、パロル舎ではお馴染みの作家・天沼春樹の文による画文集。 奥付に青木画廊の記載があり、それぞれの絵にタイトルがあることから、この本のための描き下ろしというよりは画家の画集を兼ねているのではないか。青木画廊が売り出した画家のようである。2002年にパロル舎から『箱少年』、2005年には他出版社から『オイシャサンゴッコ』という画文集も発行されている。 ■天沼春樹 文/七戸優 画 ■パロル舎/2001年9月初版 ■ハードカバー/18.1×19.7×1.1cm ■状態:良 カバーにスレや使用感が少々あります。表紙天と地にスレによる色ハゲ少しあります。本文は綺麗です。
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季刊 ぱろる1- はじまりの物語
¥1,000
「子どもの本はおもしろい!」を旗印に創刊した文芸誌。対談、評論、書評、エッセイ、創作、座談会など、まだまだ熟成にはほど遠いが、今までにないものを作ろうという心意気を感じる。 個人的には、大友克洋の『童夢』の評論、そして編集後記を特に興味深く読んだ。編集後記では、創刊準備号(0号)へ寄せられたなかなか手厳しい感想を複数紹介している。これらは新しい文芸誌の新しい試みへの期待の表れだったのだろう。 ■甲木善久 編 ■パロル舎/1995年9月初版 ■ペーパーバック/21.0×14.9×1.4cm/182p. ■状態:可 表紙全体にスレによる黒ずみヨゴレがあります。天・地・小口にも同様のヨゴレがあります。裏表紙右下に折れ跡があります。本文は書き込み等なく良好な状態です。
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夜猫ホテル
¥2,000
落田洋子ファン必携の猫の絵本。 ホテルだった建物に夜ごと集まる猫たちのノスタルジックで幻想的な物語。あくまで猫たちの会話が続くだけの物語だが、そこから何を感じて何を信じるかは読者に委ねられている。 1989年刊行のウオカーズカンパニー版を再編集している。 ■舟崎克彦 文/落田洋子 画 ■パロル舎/1997年12月初版 ■ハードカバー/18.2×19.7×1.2cm ■状態:可 表紙に薄ヤケ、細かいスレが多数あり、裏表紙が黒いため目立ちます。本体は天地それぞれスレで白くなっている箇所があります。本文はヨゴレや書き込み等なく良い状態です。
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猫の事務所(画本 宮澤賢治)
¥1,200
2003年に第13回宮沢賢治賞を受賞している小林敏也による「画本 宮澤賢治」シリーズの一冊。 原画は「スクラッチ」と言って、色をつけたスクラッチボードをスクラッチペンでひっかき線画を描いていく。作品によって風合いの異なる紙と配合を変えたインクを使い、それぞれの物語世界を生み出している。 「猫の事務所」は不当な差別やイジメなど人間社会に起きる出来事を猫に置き換えている。賢治らしい社会批判を見せつつも、あっけない結末に賢治がどんな思いを込めたのか考えさせられる。 大型本で見応えがあり丁寧につくられた装丁が美しい。 ■宮澤賢治 著/小林敏也 画 ■パロル舎/1983年10月初版、2006年8月第10刷 ■ハードカバー/30.6×20.7×0.9cm/35p. ■状態:良 カバーにわずかなスレ、薄ヨゴレはあるものの、全体的に綺麗な状態です。
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ノスタルギガンテス
¥900
この小説を幻想文学と呼ぶべきか、ファンタジーと呼ぶべきか、それとも児童書と呼ぶべきか。いや、どれも違うように思う。とにかく不思議な物語である。 この本を読んだとき、以前読んだ漫画を思い出した。生まれると通り名をつけられ、さらに魔法使いから真実の名を与えられる種族。真実の名を他人に知られることは支配下に置かれること、命を握られることを意味する。 この『ノスタルギガンテス』でも名を与えられることによる変容が描かれる。主人公の少年が知ることになる社会の不条理、大人たちの論理。訪れるであろう少年時代との別れ。センチメンタルになることなく、むしろ残酷にリアリティをもって表現されている。 上田義彦によるカバー写真が深く重く印象的である。 ■寮美千子 著 ■パロル舎/1993年7月初版、2002年10月第3刷 ■ハードカバー/19.5×13.5×2.2cm/218p. ■状態:良 天にポツンと一点小さなシミがあります。スピン(しおり紐)に色褪せがあります。背も色褪せが少しあります。その他はヨゴレや書き込み等なく良い状態です。
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魔法の森の女たち(グリム・コレクション1)
¥1,000
グリム童話の中から有名なもの、あまり知られていないものなど13編を取り揃えている。訳者があとがきに述べているが、どこから読んでも楽しめる。 各話に岡田まりゑの洗練された銅版画がさりげなく添えられ、大人のための本として格調を高めている。 ■グリム兄弟 著/天沼春樹 訳/岡田まりゑ 画 ■パロル舎/1996年6月初版 ■ハードカバー/19.5×13.5×2.1cm/207p. ■状態:可 カバー角イタミあり、本体角スレ、背の地側が少しつぶれています。本文は紙の微変色がある他はヨゴレや書き込み等なく概ね良い状態です。
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ぼくらは青年探偵団
¥3,200
【レア本】美少年・男色・スプラッタと三拍子揃った耽美系少女漫画家・まつざきあけみによる、昭和ギャグ・時事ネタ満載の傑作シリーズ! 昭和の美少年もの(現代のBL・ボーイズラブ)といえば魔夜峰央や青池保子、竹宮恵子などが有名どころ。この作品は魔夜峰央に近いようで、よりお下劣(褒め言葉)、さらにエログロナンセンス度高し。血は噴き出すわ、臓物は飛ぶわ、虫は飛ぶわで終始大騒ぎ。表紙からして(この方たちのお顔を使って大丈夫???笑)と笑ってしまう。とにかく面白い! 『ALLAN』『月光』などカルト雑誌の編集で知られる南原企画による企画・編集ものでパロル舎から発売された。もとは1980年から『ALLAN』で連載され、東京デカド社から単行本が2巻発売されたようである。そちらと内容が同じなのかは確認できていない。 ■まつざきあけみ 著 ■発行:南原企画、発売:パロル舎/1990年7月初版 ■ペーパーバック/21.0×14.5×2.8cm/374p. ■状態:良 経年による紙の変色、表紙の角スレ、イタミはありますが、目立つヨゴレや書き込み等なく、古本としては概ね良好です。
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しらゆきひめ(絵本グリムの森3)
¥2,200
登場人物はすべてネコ! テンペラと油彩を併用した、きめの細かい繊細な技法が、クラシカルで幻想的なキャラクターと絶妙に合わさり美しくも不思議な物語世界を生み出している。 グリム童話本来の残酷さも誤魔化すことなく書いていることもあり大人のための絵本と言えるだろう。 ■グリム兄弟 作/水野恵理 絵/天沼春樹 訳 ■パロル舎/1998年7月初版 ■ハードカバー/30.6×20.7×1.2cm/39p. ■状態:可 本体の天地にスレによる色ハゲがあります(写真参照)。使用感は少々ありますが、ほかに目立つヨゴレ等ありません。
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月(絵本グリムの森4)
¥2,000
パロル舎の「絵本グリムの森」シリーズの「月」。 他社版で「月はどうしてできたか」という絵本があるが、その名のとおり月の成り立ちのお話である。しかしそこはグリム童話。奇想天外な展開が待っている。 建石修志は数々の表紙画や挿絵を描いている画家で幻想文学、オカルト、児童書などが多い。特に幻想文学で知られる中井英夫との仕事が代表的である。まるで演劇の舞台を眺めているような独特の世界観はまさに大人のための絵本。本書は大判であるため迫力のある絵を存分にたのしむことができる。 ■グリム兄弟 作/建石修志 絵/天沼春樹 訳 ■パロル舎/1999年12月初版 ■ハードカバー/30.8×20.8×0.9cm/39p. ■状態:良 カバー角スレ、本体背の角イタミが少々ある以外はとても綺麗な状態です。
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箱少年
¥1,750
七戸優(しちのへまさる)による幻想的かつ哲学的な少年と箱の物語。シュルレアリスムのように箱という現実にあるものと非現実な表現を組み合わせ、少年の夢か妄想かと思わせる無機質な世界を生み出している。整った顔立ちながら何かに憑かれたかのような少年の瞳と、月のように浮かぶ箱が印象的。 ■七戸優 著 ■パロル舎/2002年10月初版 ■ハードカバー/18.2×18.3×1.2cm ■状態:良 カバーの角や端に少しイタミありますが、本文は綺麗な状態です。
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ALICETOPIA アリストピア
¥2,600
地下鉄で本を読む少女。その本は「不思議の国のアリス」だろうか。少女を乗せた地下鉄は彼女を異世界へと運んでいく。 絵が先か、物語が先か、ナンセンスで哲学的でさえある不思議な物語と、奇怪な生き物が跋扈(ばっこ)する絵の世界観はとにかくシュール。作画の大竹茂夫氏は個展は開催されているようだが画集の発表はなく、この本が実質的には画集と言えるだろう。各絵にタイトルが添えられている。 2011年にパロル舎は廃業しており、移行会社もすでにないため、流通している新本はほとんどない。 ■天沼春樹 著、大竹茂夫 画 ■パロル舎/2000年5月初版、2001年4月第2刷 ■ハードカバー/18.1×19.8×0.9cm ■状態:良 表紙に経年によるクスミやスレが少しありますが、本文は綺麗な状態です。